[小説]変化するためのミッション⑤

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変化するためのミッション①

変化するためのミッション②

変化するためのミッション③

変化するためのミッション④

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〈挨拶〉
 すみません。
 まずは最初に謝らせてください。

 誰の目に止まっていないことは分かっています。
 何の変哲もない、ただの大学生が書いたブログなんて、誰も見ていないことは重々承知です。
 見ているのは自分だけなんだから、自分の満足のままに書いたっていいことも分かっています。
 だけど、俺の良心が許さなかった。

 嘘偽り、小さな見栄でしか自分を表現できない俺が、すごく情けなくなりました。

 年始に書いた記事は、全部嘘です。

 百人中九十人以上が思い当たることの出来ないような、小さな田舎町で、俺は生まれました。
 ずっと田舎町で暮らすことが耐えられなくて、大学に合格したことをきっかけにして、去年の四月に上京しました。

 田舎で暮らす俺にとって、東京は未知の世界で、憧れでした。上京すれば、最初にブログに書いたように変わることが出来るんだって思っていました。アメリカンドリームならぬ、東京ドリームを掴みたいと意気込んでいました。

 だけど、実際は違った。

 思ったよりも高い現実の壁にやられてしまって、それ以上行動することを諦めました。
 それからの俺は、ただ変われない現実に嘆くだけ。自分から動くことはなく、大学と家を往復するような生活を送りました。

 そして、いざ自分自身を振り返った時、残るものがなくて、怖くなりました。それが、去年の年末のことです。

 だから、ネットの世界だけでも、変わった自分を見せたくて、俺の理想を書きました。

 最初は楽しかったです。でも、次の日から後悔ばかりが胸に疼くようになって、気持ち悪くなりました。

 ここにいるのは、誰なんだろう。本当の自分って、何なんだろう。

 これ以上自分に嘘を付けなかった俺は、理想からさえも逃げ出しました。

 逃げた挙句、結局帰省することにしました(あ、今は東京の一人暮らししてるアパートに戻って、大学の講義に出てます)

 さっきも書いたけど、正直な話、俺の田舎は本当に何もないです。だからこそ、何もない田舎には一切期待していませんでした。むしろ、あれだけ意気込んで上京したくせに、何もしてないんだと、周りから後ろ指を差されるものとばかり思っていました。

 だけど、待っていたものは違った。
 俺が見限った田舎で、高校時代の同級生は夢を追って輝いていました。しかも、ただの夢じゃなくて、ハッキリと見定めていて、とてつもなく大きい夢。そいつの、堂々としていて、嘘をついていない姿に、正直羨ましく思いました。
 漠然と大きい夢だけを追って、時間を無駄にした自分の愚かさを突きつけられた気分にもなりました。

 でも、そいつ(漫画の主人公みたいに、めっちゃ明るい笑)は、今までは準備期間だったんだって言うんです。しかも、それだけじゃなくて、東京に行って腐った俺に「勝負じゃ!」なんて言うんですよ。

 俺とは別のベクトルで生きていたと思っていたのに、まるで昔に戻ったように、対等に接してくれました。

 単純かもしれないけど、もう一度やってみようって思えました。

 これから俺は自分自身に嘘をつかないように生きたいです。
 出来ない自分も自分だって認めて、何か挑戦してみたいことが出てきたら全力で自分の背中を押してあげたい。
 そうしたら、少しは変われる。そう信じて頑張ります。

 それが、こんな俺でも、見捨てないで見送ってくれた地元への恩返しだと思うから。

 うん、長ったらしくなりました(多分読み返したら恥ずかしくなるやつ笑)。

 でも、ここまで書くのは、そんなに時間掛かってないんです。正確な時間は分かんないけど、十五分も経っていないんじゃないかな。
 最初に投稿した記事は、頑張って考えて三時間くらい掛かって、投稿出来なかった下書きも二時間くらい掛かってたんですよ笑
 やっぱ本心で書いた方が、伝えたいものが溢れるんですね。

 だから、俺はこれからは本心を表現することを恐れずに、生きます。

 頑張って一歩踏み出して。
 そこから更に踏み出す、もう一歩の勇気。

 俺が変化するためのミッションです。

 今年何が起こるか、本当の意味でワクワクしてきました。もし機会があれば、また更新します。

<――終わり>

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