今年は外国人によく話しかけられます。
前回(外国人に電車の中で話しかけられてキレそうになった話を書きました)に引き続き、今度は家の前でフィリピン人の家族に話しかけられました。
会社から帰ってきて、真っ暗闇の中でたたずむ3人のフィリピン人。
フィリピン人のおばちゃんは、
信号を渡ってきた私に向かって、待っていましたとばかりにカタコトの日本語で話しかけてきました。
信号を渡った者ならだれでもよかったに違いない。
「スイマセンネー、デンワ貸してホシイノヨー、デンワイイカシラー?アヤシクナイノヨー、ホントヨー」
どう見てもめっちゃあやしい。
しかし、彼らがこの状況でアヤシくない電話の借り方をするにはとても難しいと思いました。
なぜなら暗闇の中で日本語を流暢に話せない外国人に話しかけられるということ自体が死ぬほどアヤシイから。
要約すると、
3人のフィリピン人は家族で、日本の親戚の家に遊びに来たが、連絡を取る手段がないので、
わたしのスマホを貸してくれということだった。
昼間は東京で遊んできたらしい。
彼らが家族だとしたら、父親とおぼしきおっちゃん(コワモテ)はたばこをふかしながらニヤニヤし、
高校生くらいの女の子、たぶん娘(コワモテ)は、謎の大きな耳をつけてふてくされていました。
めっちゃこわい。
彼らがいい人だとしても、悪い人だとしても、どっちにしろアヤシイので、
ひとまず黙ってスマホを貸してあげることにしました。
人の中身だけを見て判断することは本当に難しい。
たぶん、神の愛に満ちている人ならば、
彼らがどんな見た目であろうと、心からの温かいまなざしで
「ウェルカムジャパン!あなたに神が共にされるように・・ウィーアーレッツテレフォン!」
とでも叫んで抱きしめてあげるんだろうなと思いました。
そこまでできない自分にもどかしさを感じつつ、
しかし一度、過去に外国人に騙されて2000円(と誕生日プレゼントにもらったお菓子)を渡してしまったことがあり、
その記憶がチラついて、完全に信じて愛で接してあげることができませんでした。(その話はまた今度)
ここでわたしのiPhoneを手にした彼らが猛ダッシュで逃げ去ったとしても
すべて神様が報いてくださるはずだ・・と心を定め、フィリピン人のおばちゃんにスマホを渡しました。
彼女はわたしのスマホで普通に電話をし始めました。
日本に住んでいるらしいフィリピン人と、フィリピン語と思われる言語で。
しかしそのうち、ゴメン、チョット話してくれる?と
おばちゃんは通話中のまま、スマホを渡してきました。
マジかよ、フィリピン語わかんねーよ・・
ミャンマー語とインドネシア語だったら挨拶できるのによりによってフィリピンだよ・・
フィリピン語の挨拶も覚えとけばよかったよ・・
と恐れおののきながら「も・・もしもし~」と、もはや日本語で電話に出ると、
「どうもすいません、ご迷惑おかけしております・・」
と、わりと普通の日本語が聞こえてきました。
わー!よかった!日本語ってスバラシイ・・本当に日本ってすばらしい国だと思いました。
わたしがもしもそのときフィリピン人で、逆の立場だったら、それはそれでフィリピンがすばらしい国だと思ったに違いありません。
つまり、母国ってスバラシイ・・
日本語が通じたので、かなり安心して話を進めることができました。
ひとまず近くのコンビニで待ち合わせをすることになりました。
その場からまっすぐ行けばたどり着くので、コワモテのフィリピン一家だけで行かせても問題はなかったのですが、
万が一親戚と出会えなかったら、いかにコワモテだとしてもかわいそうなので、一緒に行くことにしました。
フィリピン人のおばちゃんは、コンビニに行く途中、めちゃめちゃ感謝してくれ、
「ワタシタチホントニラッキーヨ!アナタヤサシイ!ワタシタチノファミリーダヨ!」
みたいなことをずっと話してました。
フィリピン人だけれどもハワイに住んでいるらしく、
いつでもハワイに来てくれ!電話番号交換しよう!とせがまれました。
そんなやりとりをしているうちに
無事コンビニに着き、日本在住のフィリピン仲間とも出会うことができました。
別れ際、フィリピン母に対応を任せっきりだったフィリピン父は、
スッとわたしに3つのチョコを差し出しました。
母は、ハワイのオミヤゲダヨ!オイシイカラタベテネ!と補足してくれました。
そうして、彼らは、嵐のように去って行きました。
ところでわたしはその日の昼、マカダミアナッツが無性に食べたかったのです。
神様、マカダミアナッツが食べたいです・・マカダミア・・マカダミアナッ・・ツ・・と
つぶやきながらマカダミアナッツのチョコを買いました。
また、その日の夕方、抹茶が無性に飲みたかったのです。
神様、抹茶を飲もうかと思いますが、どう思います?しかし、抹茶は高いですね?神様?と
つぶやきながら、ついに抹茶を買うことはありませんでした。
わたしは、家に帰って、明るいところで
フィリピン人からいただいた3つのお菓子を見てみました。
2つはMacchaと書かれたチョコレート、
1つはMacadamia nutsと書かれたチョコレートでした。
おわかりいただけるでしょうか。
Macchaって書いてあったんです。Maccha。そしてMacadamia nuts。ありえない。
しかも抹茶のチョコ食べたら中にマカダミアナッツ入ってました。ほんとありえない。
神様、フィリピン人の電話を使えなくさせてまで、私にマカダミアナッツを食べさせてくださったのですか・・
カミサマカダミアナッツ・・
明日もがんばって生きていこう・・そう思った金曜の夜でした。