朝目覚めたら、違う世界に行っていたなんて、漫画でよくある世界。
それが自分に起こってる。
[小説]異世界天生(1) 無神論者のオレが、目が覚めたらイエスキリストの弟子になってた件
俺の名前はミナト。 東京の郊外、八王子に住む大学二年生だ。成績は平均点。アルバイトに勤しむ一方で、時折サッカーサークルに姿を現す、といった何処にでもいるような…
「ミナト―。早くしないとパン無くなるぞ笑」
ペテロと呼ばれたオッサンが席に座るようにいう。
言われるがままに食卓についた。
目の前にはパンの山。
イエス・キリストはパンを食べてる。
他のオッサンたちもパンを食べてる。
イエス・キリストもご飯食べるんだ。
どうでもいいことを考えていた。
俺の知ってるイエス・キリストは教科書の中の人物。
普段どうしていたかなんて考えたこともなかった。
考えてる間に、オッサンたちがパンを食い尽くす勢い。
空腹に耐えられず、俺もパンに手をのばす。
意外にうまい。
「ミナト、うまいだろ?!」
ペテロのオッサンが笑う。
食卓は、どうでもいい話から真面目な話まで、いろんな話が飛び交う。
俺は知らない人達ばかり。
でもどこか、この食卓は居心地がいい。
仲がいいんだな。この人たち。
そんなことを思いながら場を見回していた。