ロシア機墜落、機内にISIS(イスラム国)の爆弾か

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ロシアのコガリムアビア航空9268便は10月31日、エジプトのシャルムエルシェイクからロシアのサンクトペテルブルクに向かう途中で空中分解してシナイ半島に墜落し、搭乗していた224人全員が死亡した。機体は原形が分からないほどの状態だ。

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出典:BBC

墜落したのはコガリムアビア運航のエアバスA321型旅客機。ブラックボックスは回収されてるが一部が破損しており、音声の回収には時間がかかるとみられている。

 

目次

エジプトとロシア「原因はまだ確定できない」

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出典:RRNEWS

エジプトのカマル民間航空相は5日、声明を出し、ロシア機墜落は爆弾テロが原因の可能性が高いとの見方が出ていることについて「事故調査チームは、これを裏付けるいかなる証拠やデータも持ち合わせていない」と述べた。

ロシアのペスコフ大統領報道官は5日、
「1つの説の可能性が高いとする根拠は、今のところない」と述べ、慎重な見方を示した。ロシアの航空当局はテロと事故、両方の可能性を調べており、ペスコフ報道官によると、墜落に関するすべての情報をプーチン大統領に報告していると話した。

アメリカ、イギリスはテロの可能性が高いと述べる

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出典:mmcNEWS

ロシア機墜落直後にISIS(イスラム国)系列組織が犯行声明を出していたが、これまでテロの可能性は否定されていた。

しかし 米当局者は4日、エジプトで墜落したロシアの旅客機について、ISISか系組織によって「同機の荷物などに爆発物が仕掛けられたとの確信がある」と明らかにした。在エジプト米大使館は職員に対し、墜落原因が明らかになるまでシナイ半島へは行かないよう指示した。

イギリスのハモンド外相は機内の爆発物が墜落の原因の可能性が高いとの結論に至ったと話した。イギリスは、今回のロシア機の出発地であるエジプトからイギリス人を帰国させる方向で調整している。

アイルランド航空当局は4日、同国の全航空会社に対し、エジプト・シナイ半島のリゾート地シャルムエルシェイクとアイルランド間の便を停止し、同半島上空に入らないよう指示した。

中東の関係者も、同機に爆弾が仕掛けられていた可能性が高いと思われると語った。

しかし、各国もテロだとも、そして事故だともまだ断定はしていない。

日本の対応

日本の外務省は11月5日に海外安全ホームページにて、<エジプト:シナイ半島を発着する航空機の利用に関する注意喚起>を出した。

治安に改善が見られないとして、以前よりエジプト全土に渡航の「十分注意、不要不急の渡航は避ける、渡航中止勧告」などが出されている。

ISIS(イスラム国)系組織 繰り返す犯行声明

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「イスラム国」系組織は4日、ツイッターに音声声明を出し、ロシアによるシリアでの空爆に対抗して、ロシア機を墜落させたと再び表明。「墜落させたのはわれわれだ。信じる者と信じない者に分かれているが、墜落させたのはわれわれだ」と強調した。いずれ、どのような攻撃を行ったかを世界に知らせることになるだろうと付け加えた。

エジプトの空港 セキュリティの甘さを指摘

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出典:Mashable

シャルムエルシェイクの空港の利用者は観光客が圧倒的に多く、セキュリティーチェックは甘いと報じられている。警備員は携帯電話をいじったり、たばこをふかしたりと緊張感がない、また手荷物検査所では外国人を見つけると、検査そっちのけでチップの支払いを求めてくる係官もいるという。こうした中、空港関係者がロシア機に爆発物を持ち込むのに協力した可能性も取り沙汰されている。英メディアは、墜落したロシア機に機内食を提供した会社の関係者に対し、エジプト当局が事情聴取を行ったと報じた。

 

テロが事実の場合の3つの脅威とは

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中東在住のジャーナリスト 川上泰徳氏はテロが事実だとしたら重大な3つの脅威があげられるという。

脅威の第1は、9月末にシリア空爆を始めたロシアに対するISによる
「ジハード(聖戦)宣言」を実行したことになる。ジハード宣言は10月13日に世界のイスラム教徒の若者に対して、「ロシアと米国に対する聖戦を行う」よう求める内容だったという。もちろん、ロシアとともに標的とされた米国だけでなく、日本も含め、有志連合に参加する国々にとっては、重大な脅威となる。

第2は、もし、テロならば、ロシアが9月末にシリア空爆を始めてちょうど一か月、聖戦声明から約半月という極めて短期間で、ロシア機を標的として爆弾テロが実行されたことになる。シナイ半島にはISに忠誠を誓うイスラム過激派がいて、活発に活動していることは周知のことであり、半島の一角にある観光地のシャルムエルシェイクは最も厳しい治安対策が取られている。その硬いセキュリティを崩すテロが1か月弱で実施されたとすれば、空港にISの協力者がいるのではないかなど、エジプト治安当局にとっては、極めて深刻な疑問が突き付けられることになる。

第3は、もし、テロであれば、ISの聖戦宣言がイラクからシリアにまたがるIS支配地やその周辺ではなく、飛び地となるシナイ半島で実行されたことになる。ISに忠誠を誓う過激派は、シナイ半島だけでなく、サウジアラビア、リビア、アフガニスタン、北アフリカ、ナイジェリアのボコ・ハラムなど広がっており、テロの脅威は一挙に拡大することになる。

参照:yahoo国際ニュース

遠い国の出来事か、自分のことか

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ロシア西部カリーニングラードで、エジプトで墜落したロシア機の犠牲者を追悼する市民

出典:産経新聞

まだ事故の原因が明らかに断定されてはないので確固たることは言えないがただただ、これ以上の何か事件事故、勿論テロが起こることを望まない日々だ。

私は日々のニュースを見ながら何を考えるべきだろうか。多くのニュースも見ることも必要だ。多くの人に聞くことも必要だ。

でもそれ以上に自分の考えをしっかりと正さないと、どんなにニュースを何時間見ても意味が無いとさえ思う。

特にこのように、原因をどの国も100%断定できない状況の中では。

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出典:Wall Street Journal

ニュースを平和を思いながら見るのか?それとも別の考えを思いながら見るのか?他国で起きたことに対して、自分に関係すると思えるのか?神様はこの墜落に関して全て知っているはずだ。経緯も結果も。その神様の痛い思いを私は少しでも思い測れているのか?

自問自答しながらこのニュースを読んだ。

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サンクトペテルブルクのプルコボ空港入り口でロシア機墜落犠牲者に手向けられた花束

参考:
カイロ時事通信

時事通信

ロイター通信

CNN

NHK

ウォール・ストリート・ジャーナル日本版

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