姫路でタンカーが爆発した事件。
船が爆発した際、現場に急行した漁船が複数いた。
5キロ離れたところから火柱が見えた瞬間、駆けつけた漁船。
炎上している船に横付けにして、大声で叫んで船員たちを助け、引き上げた。
ドーン。午前9時20分ごろ、海上に爆音が響き渡った。
坊勢漁業協同組合(姫路市家島町坊勢)の岡田武夫組合長(64)によると、同漁協の男性漁師(39)が小型漁船で網を上げる作業中、爆発と黒煙に気づいた。
すぐに近づき、約10分後、海上に漂っていた男性2人を引き上げた。さらに、船上には4人。猛煙の中、自らの船を近づけ、乗り移らせた。
そこへ、砂利運搬船「第五宝祥丸」=姫路市家島町=船長の安積崇さん(38)も急行。「5キロ以上離れていたが一瞬で火柱が上がったのが見えた」
漁船から2人を引き継ぐとともに、連絡用の伝馬船を下ろし、船員らをタンカーに向かわせた。
午前9時50分ごろ、タンカーはすでに傾き、沈みかけていた。
その時、タンカー後方のブリッジ部分にしがみついていた船員1人を発見。
「降りてこい」。
大声で呼び掛け、タンカー左舷後方に横付けした伝馬船に引っ張り込んだ。
乗組員は放心状態で目はうつろ。服はぼろぼろに焼け焦げていた。
「大丈夫か」と聞いても、「ああ、ああ」とあいまいな言葉しか返ってこなかった。
「よっぽど衝撃が強かったのでは」と安積さん。
救助は爆発後、約40分の間の出来事だった。しかし、安藤船長だけは行方不明のまま。
「同じ船乗りとして心配。早く見つかってほしい」。安積さんら救助に携わった人たちが口をそろえた。
タンカーはその後どんどん海に船体を引き込まれ、約9時間後の29日午後7時前、沈没した。
引用:神戸新聞NEWXT 5月30日(金)7時2分配信
本当に瞬時の判断だったに違いない。
もしここで助けに行かなければ、きっと船員の方々は亡くなっていただろう。
瞬時に判断するその力。人の命は瞬間で助かるし、瞬間で亡くなってしまう。
私達はそのような瞬間を日々過ごしている。
救助に加わった方々、本当に凄いです。
行方不明の船長さんが見つかり、重体の方も必ず回復することを願います。
冒頭画像出典:The Japan Daily Press