[保育園] #おむつ持ち帰り問題 ー #保育士 はどう思う?

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保育士RIOです。今までいくつかの保育園に勤めていました。

保育園で使ったおむつは
・保護者が持ち帰る
・保育園で捨てる

両方のパターンがありました。

また、保護者が持ち帰るという中には
「保育園内では布おむつなので、朝、子供がはいてきた紙おむつだけ、保護者の持ち帰り」
ということもありました。

保育所での「おむつ定額利用サービス」などを展開する「BABY JOB」の調査によると、おむつ持ち帰りをしている自治体は京都88%・大阪65%・東京24%と、地域差もあるようです。23区内では、おむつ持ち帰りの園はゼロだそうです。
参考:PR TIMES

目次

なぜ保育園で使ったおむつを保護者が持ち帰らねばいけないのか?

保育園によって<理由>はそれぞれあります・・・が。
一般的に、よくある理由をあげてみます。

子どもの体調を把握するため

「自宅で、おむつの中身を見てもらい、その日の排泄の状況を確認してもらう」
という理由をあげるケースがあります。
ただ私が保育園に勤務する中で、特別な事情がある場合以外は、「おむつの中身を確認してください」と保護者に言ったことがありません。言うように指示されたこともありません。私が保護者だったら普段は確認せず、そのまま廃棄します。

廃棄のための処分費用

おむつを捨てるのにもお金がかかります。その処分費用を捻出できないから、保護者に持ち替えてもらっているという保育園もあります。自治体によっては予算を新たにとって、ここ数年でおむつ持ち帰りをやめたという自治体もあります。

おむつを保育園で廃棄したら、何が起きる?保育士の視点から

おむつを保育園で廃棄すると、保護者の負担が減るのはよく報道されています。では、保育園や保育士にとってはどんなことが起こるのでしょうか?

保育士による、おむつの「仕訳」が不要になる

保護者が持ち帰るおむつは、当然ながら「わが子」のおむつだけです。そのため保育士は、使ったおむつを各保護者が持って帰れるように、おむつ交換後に「仕訳」します。保育園には子供達の個別ロッカーがあるように、「おむつロッカー」のようなものもありました。そこにAちゃんのおむつ入れ、Bちゃんのおむつ入れなどに、各子供が使ったおむつを別々に入れていくのです。
仕訳に慣れすぎていて、そこまで手間にも感じはしませんが、あれが一つのごみ箱にポイポイ捨てられるのであれば、楽だろうなあとも思います。

おむつロッカー、おむつ持ち帰り袋の管理が無くなる

おむつロッカーや、おむつ持ち帰り袋の管理も必要です。ロッカーなら綺麗に消毒したり、袋もAちゃんとBちゃんのが間違いないようにと、気を使います。小さなことですが毎日なので、持ち帰りが無くなるなら、その時間を保育にさくことができそうです。

保育園内の衛生面改善

保育園によっては、こどもたちが遊んだりご飯を食べたりする保育室の中に、おむつロッカーがある場合もあります。おむつをまとめてどこかに廃棄できるならば、これも改善されそうです。

スペースができる

子供のおむつは、保育園で1日過ごした場合、平均で1人あたり5枚前後、交換します。
クラスに子供が10人だとすると、10人×5枚=50枚。
それを個別に仕訳するので、ある程度のスペースが必要になります。
前述のとおり「おむつロッカー」なるものがあると、本棚一つ分くらいのスペースは必要です。
まとめて捨てられるなら、スペースが空きます。

配置基準内で保育士は本来の動きができる

配置基準とは、保育士一人当たりに子供が何人までみれるか?といった国が定めた基準です。この配置基準は現場からするとギリギリの人数で決められています。例えば0歳児赤ちゃん3人に対して、保育士は1人です。(*自治体によって多少異なる)0歳児が9人いたとすると、保育士は3人。

保育士1人がおむつ処理に行ってしまえば、残りの保育士2人で9人0歳児を見ることになります。おむつ処理が無くなれば、3人の保育士で9人0歳児をみることができます。

注1:おむつ処理以外にも保育士の業務は多岐にわたるため、おむつ処理がなくなっただけで、子供たちに完全集中できるようになるわけではありません。
注2:配置基準以上の保育士を雇ってるところもよくあり、そこは保育園次第。しかし、保育士が増えても自治体からの予算が増えるわけでは原則無いので、試行錯誤しながら保育園側は保育士を採用してます。

保育園ができたのは150年前の明治時代ーより改善すべきところは

日本で最初に保育園ができたのは今から約150年前と言われており、歴史が長く、良き伝統もたくさんあります。

一方でいつの間にか慣例のようになってしまい、「それをやったら子供も保護者も保育園も保育士も自治体も、皆が嬉しいのに。なぜか改善されてない。時代にあってない。」ということもあります。

現場の保育士だけでは対応しきれない部分をサポートしてくださる業者さんも、ここ数年で急激に増えてきました。とても心強いです。

一つ一つ、より良く。「子供の最善の利益」が考慮された保育園であるように、その環境も素敵であるように、さまざまな面を整えていきたいと思います。

教会では「人間の中で最も罪が無い存在が子供達」だと伝えられました。神様にとって、その存在そのものが喜びである子供達のため、これからも頑張ります。

参考:
MBSニュース
中央法規
全国私立保育連盟
日弁連
歴史民俗資料館
相模女子大学

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