父は殆ど耳が聞こえない。補聴器が無ければ会話ができない。
でもそれに対して何かを私が特別に思ったことは無かった。
その父は私に毎月、健康食品を送ってくれる。
その健康食品には手紙が添えられている。
気づけば、約6年の月日が流れた。
この6年の間には様々なことがあった。
父にとって一番大きかったのは、祖母の他界ではないだろうか。
祖母が亡くなった直後は流石に寂しそうな父であった。
言葉にはしないけれども、背中が語っていた。
私が今も後悔していることがある。
父が送ってくれた手紙の中で、あけていなかった手紙があった。
その手紙には、「祖母に年賀はがきを送ってあげてほしい」と書かれた手紙だった。
まだこの時、祖母は生きていた。
私は、その手紙を祖母が亡くなった後に読んだ。
読まなかったことを後悔して泣いた。
年賀はがきを送ってあげられなかったことを後悔して泣いた。
私は今、毎日家族一人一人の為に祈っている。
私がそばにいて何かを父にしてあげることが出来るわけじゃないけれども
これからも毎日祈り続けたい。
小さな私の大きな親孝行だと信じて。