保育士が子供と遊んではいけない理由

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保育士になりたての頃、よく言われたのは
「一緒に遊ぶだけが保育士ではない」
ということでした。

 

「子供が好きだから一緒に遊びたくなる。」
でも子供と遊んでばかりいるなら、これは「実習生のようだ」と言われました。

 

「保育士は子供と遊んではいけない」
一見、誤解を生みそうなこの言葉。果たしてどんな意味なのでしょうか。

 

目次

保育士の配置基準


保育士に対して、子供の人数の上限は決められています。

それを保育士の配置基準と言います。

関連:保育の現状 内閣府
関連:保育士の配置基準について分かりやすい記事

 

配置基準は国が定めており、
例えば0歳児3人に対し保育士1人などとなっています。
(これを基準にして市町村によって配置基準は異なります。ただし0歳児4人に対し保育士1人など下回ることは違反になります。)

 

時間帯や曜日によっては、保育士と子供が1対1のときもまれにありますが
殆どの場合は複数の子供達を、複数の保育士で同時に見ます。

 

そういった場合に、保育士が特定の子と夢中になって遊んでいたら?

 

保育士が夢中になって子供と遊んでいたらどういうことがおこるのか?ートラブルに対応できない


今日は特に安全面について書きます。
子供は一人一人、全く違うため全て書ききれないので、氷山の一角です。

 

事故怪我を見逃す

例えば落下事故

夢中になって遊んでいる間に、別の子がジャングルジムから落下したとします。
落下事故は、どのように落下したか自体も、あとでの対応に影響があります。
例えば頭から落下したのか、腰から落下したのか、足から着地して踏み外したように足をひねったのか。
これは子供達を見ていないと分かりません。

頭から落下したとすれば、非常に重篤な状態に繋がることもあります。落下し、症状が出てくるまでに最大24時間程度は注意し、あまり激しく遊ばせないようにという話があります(症状状況次第なので詳しくはお医者さまへご相談を)。子供は元気でも、脳の中に損傷が起きていることもあるのです。でも子供は頭から落下したとは言えないことも(乳児、おしゃべりが不得意な子など)。

何も警戒せずに続けて遊ばせていて、落下事故が起きてしまった。果たしてどうなってしまうでしょうか。
(落下事故が起きないのが一番ではあります)
関連:子供の転落事故 産経新聞

 

例えば誤飲事故

見てなかった瞬間に、何か飲んでしまっていた。乳児に特に多いです。これは目の前にいたとしても起こります。
目の前で起きたら、すぐに口の中から出すようにする。
でも口の中に完全に入る前に防止するのが良いですよね。
また、何を口の中に入れようとしているのかにもよります。
(乳児はなんでも口の中に入れるので、口の中に入れてもいいおもちゃなどはよくあります。)

例えば道路での飛び出し事故

保育園など施設は柵がありますが、何らかの理由で柵があいていて飛び出してしまったり
公園ではいつの間にか道路に出ていたなどということがあります。

子供が話せないことも

まだ話せない乳児ちゃんや、話すのが得意ではない場合など、子供は怪我をしてもどこが痛いとは言えないこともあります。
また、普段は話せる子でも動揺し泣いてしまってうまく説明できないときもよくあります。

 

見ていれば怪我の起こるようなことを未然に防げます。

事故が起きたり、怪我をしてしまったとしてもどうしてこうなったのか説明できるようになるには
保育士がしっかりと見ていることが必要になります。

 

喧嘩の原因が分からない

喧嘩の場合しっかりと注意するには、保育士が子供達をずっと見ていなければかなり難しいのです。

 

例えば、A君がB君を叩いた。
もちろん叩くこと自体はよくないことですが、その原因がどこにあるのか、どういう流れでこうなったのか、普段からこうなのかなど
子供達を見ていなければ分からないことです。

 

口で「やめてよ!」「嫌だ!」と言えるところを
口でうまく説明できない子が、口で言う代わりに手が出て、叩いたり、噛みついたりすることもあります。

見て状況を分かっていれば、子供の気持ちを察しながら保育士のほうから
「〇〇が嫌だったから叩いたの?」
など聞き、そのうえで注意すべきことは注意したり
今度はこのようにしようねなど話してあげることができます。

 

子供達を見ていなければこのような対応はできません。

 

結果だけ見て、どっちがいい悪いを言ったりとか、「叩いてはいけない」というだけでは子供はほぼ確実に行為を繰り返します。
子供は何が悪いか分からないし、的外れなことを言ったら子供も気分を害します。

 

子供双方が、自分は悪くないとそれぞれが主張することも非常によくあります。
ずっと見てたら適切に指導出来る可能性が高まります。
(見ていたとしてもその現場自体に理由が無い場合もあります。)

 

保育士の目の前だけで喧嘩が起きる時もあれば、そうじゃないこともよくあります。
ある特定の子とばかり遊びすぎていると、子供達全員の様子が見えないことはよくあることです。

 

不審者が入ってきても気づかない

特にお迎えの時間は、あらゆる保護者の方が同時に出入りします。
不審者が入ってこないように、あらゆる対策をしている保育園もありますが
最後は保育士自体が子供を守らなければなりません。

不審者は、明らかに不審者ですねという感じで入ってこないことも非常によくあります。
保護者の一人を装って入ってくることだって、可能性としてはあるのです。

もし子供と遊ぶのが夢中になっていて、誰かが入ってきても気づかず、別の子供が連れていかれてしまったとしたら?
ナイフをもった不審者がいつの間にか部屋の中に入ってきてしまっていたら?

そのとき、乳幼児が自分で戦うとか逃げるということができるでしょうか?
子供達を守るのは保育士です。

 

子供達の様子が細かく分からないー良いところを見逃す

一見、トラブルメーカーのような子でも、良いところは必ずあります。
でもパッと見の保育だけしてたり、誰かと集中的に遊んでいたら
良いところが見つけづらかったりします。
見守りながら、「こういういいところがあるんだ」と発見することは本当に多いのです。
それを後で誉めてあげると、殆どの子達は嬉しそうな表情をします。
こっちも嬉しくなります。

良いところや、成長したところを見つけることは、そののちのトラブル防止にもなります。
「いまこのくらい成長しているようだから、このような怪我やトラブルの可能性はあるな」
と想定はできます。(想定外のこともよくおこりますが)

 

では子供とは誰が遊ぶの?

保育士が一人の場合は、子供達と遊ぶ前に、安全を最優先に考えることが必要になってきます。
安全あっての遊びです。
しかし私が勤めた保育園で遊びの時間、保育士が一人になるということは、あまり記憶にありません。

 

保育士が複数いれば、ある先生は遊んであげ、また別の先生は見守り役になることもできます。

 

保育園で、例えば夕方の自由遊び。
よく見ると、子供達と遊んであげている先生と、見守っている先生、両方いないでしょうか。
全員、見守り側に入り、一部の先生が保護者対応(お迎え)してることもありますよね。

 

保育士は自由遊びの時、自分以外の先生がどこにいるのかを考え、子供達全員の安全を守れるように動きます。
まるでそれはサッカーの試合のようだと思うことがあります。

 

ある先生が何らかの対応していれば、他の先生はその他の子を見たり。

 

あまりにも急なトラブルの場合、
他の先生が他の子供達を見ていると信じて
自分自身はトラブル対応することもあります。

 

最後に

天国にも保育園のようなものはあるのだそうです。
そこにいる子供たちは、神様の愛と真心で育てられると御言葉で聞きました。

 

私も子供達を、神様の愛と真心で育てられるように努めます!!

 

最後の最後で裏話追記

保育系の記事を書くときはある意味、一番緊張します。「あれも書かなきゃ、これも書かなきゃ」「ああいう場合もあるしなあ」考えが一気に回ってキリが無い( ;∀;)
子供一人一人、状況一つ一つ、全く違うから簡潔に文章に書くって凄く緊張します。

だから私のブログには、保育系の記事がもっとあってもいいかもですがなかなか書けないのはこのような理由からなのでした。

一番人生の中で長くやってきてることだからこそ、書きづらい( ;∀;)

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