HIKAKINさんが、指定難病「好酸球性副鼻腔炎」であることを公表し、現在は回復に向かっているとのニュースが報じられました。このまま順調に回復されることを心から願っています。
著名人が病気を公表することについては、さまざまな意見があると思います。ここでは、私自身の経験を通して、その影響について書いてみたいと思います。
以前、私は適応障害と診断されました。それは2012年から2015年頃のことです。
診断を受けたとき、真っ先に思い浮かんだのは皇后雅子様でした。雅子様は、2004年に適応障害であることを公表されています。ご本人の意志がどうであったにせよ、当時のお立場から公表せざるを得なかったのだろうと推測しています。
雅子様の公表によって、適応障害という病気が広く知られるようになり、私自身もその存在を知りました。そのため、私が適応障害と診断されたときも、それが全く未知の病気というわけではありませんでした。また、周囲に説明するときも「雅子様が適応障害で、私も同じ病気です」と話すことができました。その結果、周囲も比較的理解しやすかったようで、偏見めいた言葉が私の耳に届くことはありませんでした。
雅子様が病気を公表してくださったことで、私は「1人ではない」と感じ、病気ではあるものの、どこか救われた気持ちになったのです。
また、著名人が病気を公表すると、その病気について特集が組まれることがあります。それをきっかけに世間の理解が深まるだけでなく、私自身も病気への理解を深めることができました。たとえば、北斗晶さんが乳がんを公表されたとき、私もその影響を受け、乳がん検診を通常より早めに受けることにしました。
病気を公表してくださった方々には、感謝の気持ちしかありません。
ただ、すべての著名人が病気を公表すべきだとは思いませんし、公表を控えるべきだとも思いません。私自身も、長い間、家族や親しい関係者以外には適応障害のことを話せませんでした。しかし、病気を公表してくださることで、多くの人が勇気づけられたり、病気への理解が深まったりしています。そのおかげで私自身も救われた経験があります。
これからもそのような行動に感謝しつつ、私自身も自分の病気を話すことで「誰か」を支え合える存在でありたいと願っています。