「~してください」「~はいいですよ」「~はしてはいけません」…などなど。
日本人の性質なのかどうかわからないですが、日本人は「ハッキリ伝える」ことを忌避する傾向にあるように感じます。
そういう僕もその傾向がありました。
なので、仕事の時にお客さんに馬の鞍のつけ方とか、馬の手入れをするときに注意することなどもやんわり伝えるようにしていました。
「~はあまりしない方がいいですよ」
「~した方がいい感じですね」とか。
まあいろいろぼやかす表現をしてきたんですね。
その方がお客さんも心情が傷つかないし、いいかなあと思ってきました。
でも、ある時、「こういう言い方して、もしお客さんが馬の危険を中途半端に認識したら危なくないか?」と思うようになりました。
馬も生き物なので、何が起こるのか、100%推測することなんてできません。
だからと言ってあいまいに説明してしまえば、結局お客さんはどう馬に接したらいいのか、きちんと理解することができません。
お客さんの心情を傷つけまいと思って優しくいったつもりが、そのせいでお客さんがケガをしてしまうかもしれないことになるのです。
あー、こりゃいかんなあ。
そう思ってどうするのか考えました。
真っ先に思い浮かんだのは神様は御言葉を伝える時どうするのかを考えました。
神様は日本人の言い方のようにぼんやりぼやかしたりしません。
「~はいい。しなさい」「~はしてはいけない」など、ものすごく簡潔に、ハッキリと伝えます。
ただ、なぜそうやってハッキリ伝えられるのか、考えてみたら、結局は僕たち人間を愛しているからなんですね。
愛しているからこそ、何をしたらいけないのか、ハッキリ伝えてその人を危険から遠ざけようとします。
そうか、「ハッキリ伝える」ことも立派な愛なんだな。
ただその人を傷つけまいと思ってなんでもあいまいに伝えるだけでは、その人の将来や、安全のことを考えたらむしろマイナスになることもあるのか。
むしろハッキリ伝えるというのは、その人のことを大事に思っている証拠なんだなあ。
そう悟ってから、僕はしっかりと伝えるようにしました。
「~はしていいですよ」
「~しないでください。でないともしかしたら馬に蹴られたりするかもしれません」などなど。
でも、いざやってみると…ハッキリ伝えることって、ものすごく難しいということを感じます。
まず頭の中で言いたいことを整理して、何を伝えたいのか、何は伝えなくてもいいのか、伝えるべき内容の順番はあっているのか…などなどを意識しだしたらきりがありません(笑)
でも、やっていくにつれて、お客さんと話すときに言いたいことがすぐに頭の中でまとまるようになったり、スタッフ同士のやり取りの中でも「え、今のどういう意味?」と聞き返されることが少なくなって、仕事もスムーズに連携が取れるようになってきているな、と感じます。お客さんも鞍のつけ方など覚えなければいけないことが早く身についているように感じます。
まだまだ言いたいことをまとめようとして固まってしまったりすることがちょくちょくあるのですが、めげずに頑張っていきたいと思います!
特にこれから社会人生活が始まる皆さま!「ハッキリ伝える」の、オススメですよ!
ぜひやってみてください!