イエス様が「祈りによらなければこの類のことはできない(新約聖書マルコ9:29)」とおっしゃいました。
イエス様が福音をのべ伝えながら多くの病気を治し悪霊を追い出すことを、弟子たちがいっしょについていって熱心に見て学びました。イエス様が「悪霊よ、出て行け。どうして人を苦しめているのか。直ちに出て行け。」と、号令をして病気を癒すことを見ました。
ある日、弟子たちが出ていって病気の人に出会いました。悪霊に苦しめられている男の子でした。その親が自分の息子を治してくれとイエス様の弟子たちに願いました。
イエス様の弟子たちが手を置いて祈りました。「悪霊よ、出ていけ。出ていかなかったら直ちにおまえたちを縛りつけて底知れぬところに放り込もう。すぐに出ていけ。イエスの御名によって祈ります。」と言いましたが、出ていきませんでした。弟子たちも心苦しかったし、恥ずかしくて穴があれば入りたい気持ちでした。それを見ていた子供の親もとても心苦しかったのです。
心配しながらイエス様のところへ連れて行きました。「私の息子が悪霊につかれて、あなたの弟子たちに頼みましたが、彼らが大声でしかっても悪霊は出ていきませんでした。私の息子を哀れんでください。」イエス様がその願いを聞いて、悪霊につかれている子を前にして祈りました。「けがれた悪霊よ、出ていきなさい。」ただ出ていきなさいといっただけではなく、厳しくしかりました。そしたらその子が痙攣を起こし悪霊は出ていきました。
その親が見てとても喜びました。さすがに先生は先生で、弟子は弟子だと言ったのです。
人々がみんな帰った後イエス様と弟子たちが残っていたとき、弟子たちがイエス様に聞きました。「イエス様、どうして私たちは悪霊を追い出すことができなっかたでしょうか。心苦しい限りでした。穴があれば入りたい気持ちでした。」
イエス様がおっしゃったのです。「祈りによらなければこの類のことはできない」とおっしゃいました。実際、弟子たちもイエス様と同じ方法でやりました。もっと大声を張り上げました。人数が多かったからです。それでも出ていかなかったのです。家がゆれるほど大声を張り上げましたが、悪霊が出ていかなったから、どうしてなのか知りたかったんじゃないでしょうか。
「この悪霊、ヒルのようにしがみついているのか。それともまだ契約期間が終わってないから出ていくときじゃないからだというのか」と思うほどでしたが、そうではなかったのです。祈りによらなければそういう類は出ていかないということです。信じますか。
1987年2月15日
主日礼拝:祈りの力 より抜粋
説教者:鄭明析牧師