2017年、世界は大きく変わろうとしている。
フランスで昨日、大統領選挙が行われマクロン氏(39)がフランス史上最年少で大統領に就任した。
仏大統領選決選投票、マクロン氏勝利へ 仏史上最年少の指導者誕生 https://t.co/B2yJce5Nr4 pic.twitter.com/w2UVnv8bFw
— ロイター.co.jp (@Reuters_co_jp) 2017年5月7日
7日の仏大統領選決選投票で、中道派エマニュエル・マクロン氏が、マリーヌ・ル・ペン氏を抑えて当選しました。得票率は約65.5%対34.5%。39歳で仏最年少の大統領となるマクロン氏は、「希望と信頼回復」の新しい歴史のページにしたいと述べ、国の団結や欧州のために働くと約束しました。 https://t.co/OUK5wceRCx
— BBC News Japan (@bbcnewsjapan) 2017年5月7日
アメリカでもトランプ大統領が1月に就任。
5月イラン大統領選挙。6月にイギリス総選挙、フランス国民議会選挙。秋にはドイツ連邦議会選挙。
そして世界中の注目を集めている韓国大統領選挙がついに5月9日、行われる。
韓国内で9割近くが「必ず投票に行く」としており注目が高くなっている。
朴槿恵(パク・クネ)元大統領への抗議デモ、韓国のろうそく集会で200万人が参加したことを考えれば、そのあとに行われる今回の選挙の注目度の高さはうなずける。
韓国は日本の半分くらいの人口。日本の人口比でいえば、400万人がデモに参加したことになる。
400万人は、東京23区人口の3分の1の人数。
それを考えれば凄まじい人数だ。
関連記事:韓国 朴大統領辞任へ―何が問題なのか?
5月5日までに実施された「事前投票」。
投票した有権者数は1100万人を超えた。全体の26%がすでに投票を済ませたのだ。
今回から韓国の事前投票は空港でも投票できるなど大幅に手続きが簡素化された。
とはいえ、専門家からもこの投票率は驚きを隠せない数字だ。
日本で2016年に行われた参院選で「事前投票(期日前投票)」の率は全体の12%だった。
韓国大統領選の投票率 80%超の見通し=中央選管 : 【ソウル聯合ニュース】韓国の中央選挙管理委員会は8日、今回の大統領選(9日投開票)の投票率が80%を上回るとの見通しを示した。
<YNAPHOTO path=’/c… https://t.co/dTa7hnRQOb— yonhapnews (@yonhapjp) 2017年5月8日
韓国大統領選 9日投開票=深夜にも大勢判明 : 【ソウル聯合ニュース】韓国大統領選が9日に投開票される。中央選挙管理委員会の金龍德(キム・ヨンドク)委員長は8日、国民向け談話を発表し、「今回の大統領選は韓国の未来を決める… https://t.co/CRkh50maiP
— yonhapnews (@yonhapjp) 2017年5月8日
なぜこれほど注目度が高いのか。
それだけ韓国民たちに対し影響が高く、通常は5年間 大統領が変わることは無いからだ。
日本の首相の権限や状況だけを考えれば理解が出来ないことがたくさんあるので、まとめた。
最後まで分からない韓国の大統領選挙
韓国大統領選 9日の投票前に最後の訴え #nhk_news https://t.co/GIBVjuAFsz
— NHKニュース (@nhk_news) 2017年5月8日
1987年以降、韓国では大統領を直接選挙によって選んでいるが
過去6回の選挙のうち、なんと4回は事前の世論調査を覆し
当初、劣勢だった候補が逆転勝利している。
2012年の前回選挙でも、朴槿恵(パク・クネ)元大統領は劣勢だったが逆転勝利している。
韓国の公職選挙法に基づき、3日以降に実施される世論調査は結果の公表が禁じられている。直近の支持率は明らかになっていない。
そのため各メディアが報道する選挙情勢も、ここ数日は違いがみられる。
最後まで韓国の大統領選は分からないのだ。
北朝鮮情勢も韓国大統領選に大きな影響を与える。
北朝鮮が6回目の核実験を強行すれば、現在世論調査でトップを走り、対北対話路線を貫いてきた文氏の支持率は一気に下がるのは確実。
87年の大統領選では、開票17日前に北朝鮮工作員による大韓航空機爆破事件が発生。
軍人出身の保守、盧泰愚氏が当初優勢だったが、革新の金泳三氏に逆転して当選している。
韓国大統領の権限とはー世界各国の首脳の権限は一概に比較できない
国が違えば、首脳に対する捉え方も違うし、首脳の権限も異なる。
アメリカ、日本、韓国、フランス、その他世界各国の<トップ(首脳)>は必ずしも同じ役割を持っているわけではない。
大統領と首相の違い
各国に違いは見られるものの、大統領とは、選挙で国民が選んだ人であり、直接国民が選ぶということで権限が強いことが殆ど。アメリカや韓国など。大半の場合、短期間で変わったりもしない。
首相は、国民が選んだ人達(議員)でなりたつ国会で選ばれる。
大統領は権限は強いものの、議会との繋がりが無い状態なことも多いので、議会と対立することも、しばしばある。
首相は、議会(国会など)の中から選ばれるので、議会とも繋がりが強く、法案などが通りやすい。
しかしながらある一定の思想で物事が進んでいくというデメリットも指摘されている。
韓国は大統領と首相の両方がいるが、権限は大統領のほうが巨大であり、首相は大統領の命令の元で仕事をしている。
韓国の大統領の権限は現代の王と称される
韓国の大統領は現代の王と言われるほど、他国の大統領に比べて絶対的な権限をもっている。
根強い儒教文化や朝鮮王朝時代の感覚も残り、国王と政治指導者の中間ぐらいに位置する絶対権力だ。
具体的には
法案の拒否権
軍の統帥権(軍の最高司令官)
大法院長(最高裁判所長官)や検察総長、憲法裁判所などの任命権
政府、軍、官公庁などの人事(約7千人)
憲法改正の提案権から宣戦布告、戒厳令の布告もできるし、在任中に罪を犯しても、免責される。
大統領が任期中にしたことを司法が問うことはできない。退任を待つほかない。
反面、独裁的な権力故に任期5年、再選なしという制度で最高権力者を縛っているともいえる。
また大統領を監視するシステムは今のところはないので、ブレーキがないともいわれている。
最高権力者自身には難しくとも、家族や側近などに便宜を図ってもらおうとする人々が群がり、巨額の金銭が行き交う。
これまで金泳三(キムヨンサム)氏、金大中(キムデジュン)氏、盧武鉉(ノムヒョン)氏、李明博(イミョンバク)氏の歴代大統領周辺の多くが、直接的な権限がないのに口利きなどで対価を得る、韓国独特の「あっせん収財」容疑で逮捕されてきた。
このように韓国の大統領は、在任中は絶対的な権力を持つが、大統領の任期が終われば、厳しく裁かれる。結果として韓国の歴代大統領は亡命、暗殺、死刑宣告、自殺、無期懲役などに残念ながら至っている。
朴槿恵(パク・クネ)元大統領の事件をふまえ、韓国各紙は社説で事件の背景にある強大な大統領権限を弱める方向での憲法改正を求めている。
立候補者の状況
北朝鮮に融和的な文在寅氏の独走となっている。
一時は文氏と競り合った中道系の安哲秀(アン・チョルス)氏は終盤で失速。
保守系の洪準杓(ホン・ジュンピョ)候補とともに首位を走る文氏を追う展開。
・・・といわれたのが数日前。
今現在は分からないし、各メディアが報道する情勢がわれている。
主要3候補と言われる方々の主張はどういうものなのだろうか。
なお対日関係では、いずれの候補も慰安婦問題をめぐる日韓合意の見直しを主張、誰が当選しても日韓関係の悪化が懸念されている。
主要3候補以外でも、討論会で指示を得ている立候補者もおり、ここにあげた内容、候補者が全てではない。
民主党 文在寅候補(ムン・ジェイン) 64歳
2012年も大統領選に出て優勢の前評判だったが、朴氏に勝利を許している。
文氏の両親は朝鮮戦争(北朝鮮と韓国の戦争)開戦半年後の1950年末、北朝鮮から米軍艦艇に乗って脱出した。
幼少期は韓国で貧しい時期を過ごした。
朴正煕政権に反対するデモの先頭に立った大学3年の時に逮捕、その後兵役生活を経て、1980年頃には「危険人物」として再び収監された。
弁護士資格をもつ。
北朝鮮への「太陽政策」を進めた盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権で要職を歴任。
大統領秘書室長を務めていた2007年、国連の北朝鮮人権決議案の採択前に北朝鮮に意見を求め、韓国に棄権させていたことが昨年、明らかとなった。
南北対話や経済協力を重視した金大中(キムデジュン)・盧武鉉(ノムヒョン)両政権の「太陽政策」を自身の政策の模範としている。
朴槿恵(パク・クネ)政権の強硬な圧力が意味があったのか?疑問に思う韓国の人達の支持を集めている。
また政権交代を強く望む人たちの支持も集めている。
「金正恩(キムジョンウン、朝鮮労働党委員長)が北韓(北朝鮮)の統治者と認め、核問題の解決のために会わなければならない」。
「大韓民国は国家の非常事態にあります。安保と外交、経済の危機が組み合わさっています。一つになった力でこの危機を克服していかなければなりません」
「太陽政策と盧政権による(北朝鮮への)宥和政策は、われわれが南北関係改善に向け守るべき基本政策だ」
「日本との慰安婦合意は間違っている。」
同性愛に反対している。
国民の党 安哲秀候補(アン・チョルス) 55歳
研究医として病院勤務を経たのち、セキュリティ・ソフトのベンチャー企業を立ち上げた。
ここで開発したセキュリティソフトが大当たりし、当時、弱冠33歳だった青年実業家は「韓国のビル・ゲイツ」と呼ばれる時代の寵児になった。
最新のセキュリティソフトを個人向けに無料配布したほか、韓国の「2000年問題」は彼が解決したとも言われている。
韓国で使われているアンチウィルスソフトは、ほぼ安候補の会社の製品だ。
文氏が「韓国を北朝鮮に譲り渡す」と痛烈に批判。自身が当選したら「強い韓国をつくる」と訴えた。
「フランスは古い理念ではなく新たな変化を選択しました。既得権の抵抗で解決できなかった改革を力強く推進するでしょう」
「青年の夢を奪う3大不正を知っているだろうか」とし「それは入学不正・兵役不正・就職不正。私は必ず3大不正を根絶する」と強調した。文候補の息子の就職不正疑惑を取り上げたのだ。
安氏は文氏と洪氏を「過去の既得権」と規定し、「あすの大統領選は二大政党の政治構造を革新する選挙になる」と強調した。
安候補側は選挙運動の全過程をフェイスブックとユーチューブで生中継している。
金成植(キム・ソンシク)戦略本部長は「フェイスブックを通じて直接、間接的に安候補の遊説を見た人だけで844万人を超える」とし
「安候補が実際に人に会って伝えるメッセージと切迫感で従来の支持層はもちろん留保層までが動いている」と主張した。
太陽政策への賛否は留保したうえで、「今は北朝鮮に対して制裁を行うべき局面だ」と語った。
日韓関係については
「過去から様々な歴史や領土を巡る葛藤が存在してきた。全ての争点を一度に解決できない関係だ。
真のパートナーシップに向けて努力と忍耐で慎重に接近する必要がある。歴史問題への日本の率直な謝罪と韓国の未来志向的な努力が基礎になった1998年の韓日共同宣言の関係をめざす」
従軍慰安婦問題については
「慰安婦合意は国家間の外交や安保の合意とは違う。歴史の重要な争点が当事者である慰安婦被害者の理解と納得なしに合意されてはならない。原点から再検討すべきだ」
自由韓国党 洪準杓候補(ホン・ジュンピョ) 62歳
検事出身、元慶尚南道知事。慶尚南道は韓国の南にあり、釜山の西側。
自由奔放な発言で、<韓国のトランプ>と言われている。
朴槿恵前大統領と同じ党。
北朝鮮へは強硬政策。
「親北朝鮮勢力が対北政策を決め、左派が壊した大韓民国の基礎を立て直す」
「核には核で対応しなければならない。(米国の)戦術核再配備を通じ、韓(朝鮮)半島の核の均衡を達成する」
「慰安婦問題は金で取引する対象ではない。現在、日本は慰安婦問題をまるで売春婦のように罵倒している。
この問題で、交渉も合意もする考えはない。我が民族が国家を失い、力を失ったときに遭遇した痛みのある歴史だ」
文氏を「うそつき」、安氏を「煮え切らない人間」と酷評。
テレビ番組では「天が決めたことで女性の(皿洗いなどの)仕事を男がやってはいけない」などと女性差別的な発言をして批判を浴びた。
韓国と北朝鮮 選挙戦ときってもきれない関係
世界各国からも、韓国の選挙は注目をあびている。
北朝鮮情勢が緊迫しているからだ。
韓国と北朝鮮の関係
一時期、関係が良くなりつつあった。
1998年2月25日から2008年2月24日までは、「太陽政策」、対話重視の政策をとった。
2000年6月に開催された南北首脳会談では、金大中大統領(韓国)と金正日国防委員長(北朝鮮)が笑顔で手を取り合っている。
以後、江原道の金剛山観光などで、南北間の交流が進められた。
10年で金剛山には約200万人の韓国人観光客が訪問している。
しかし、2008年7月の事件を境に関係は冷え込んでいく。
韓国人観光客が北朝鮮兵に射殺される事件が発生し、翌日から金剛山観光が全面中断となったのだ。
大統領選当日は、奇しくも金正恩が朝鮮労働党委員長に就任して1周年となる日だ。
【ニュース特設:緊迫 #北朝鮮情勢】韓国大統領選挙の投票が行われる9日は、キム・ジョンウン(金正恩)氏が朝鮮労働党委員長に就任してから1年に当たります。新たな軍事的挑発はあるのか、関係国は警戒を続けています。https://t.co/BkcgJOqa9M pic.twitter.com/LQrWssjxBO
— NHKニュース (@nhk_news) 2017年5月7日
北朝鮮から見た韓国の大統領選挙
朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」が、保守政権の誕生を防ぐべきだとの論説記事を掲載した。
「従北」で知られる最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)候補が猛烈に追い上げられていることへの警戒とみられ、文氏と北朝鮮の親密さを表す動きとみられる。
北朝鮮の対韓国窓口機関「祖国平和統一委員会」の韓国向け宣伝サイト「わが民族同士」で、
韓国の保守勢力が政権交代を妨げようとしているとし、野党「国民の党」の安哲秀候補を牽制(けんせい)したという。
韓国に詳しい麗澤大の西岡力客員教授は
「今回のことで分かるのは、北朝鮮は大統領に文氏を望み、安氏を望んでいないということだ。
安氏の支持が突然上がったことに焦って、韓国の左派に頑張るようメッセージを送ったのではないか」と話す。
誰を選ぶべきなのか?
摂理が立候補者の誰かを明確に支持していたら、「誰々に票を入れよう」という話が昨日の礼拝でも確実に出ていたことだろう。
しかし、そのような話は全くなかった。
ポンソク牧師は
「どういう指導者が素晴らしい指導者なのか今まで御言葉でたくさん出たし、聖書にもある。自分の信念に従って選べばいい。
私たちが国のためにしっかりと祈らなければいけない。」
という話をされた。
この話を聞いて、摂理は本当に良いところだと感じた。
私ならば、誰々に投票してくれと言われたところで、言うことを聞くつもりは一切ない。
祈って、自分で判断して投票する。
よい選択をすれば、一生喜んで享受する。
<核>として「最高にふさわしくよいもの」を選択したら、<その他の該当するもの>もすべて得るようになる。
神様は人間に「自由意志」をくださったので、各自「自由」に選択するようにしておいた。
-摂理 キリスト教福音宣教会 鄭明析牧師の箴言より
韓国は隣の国でもあり、多くの愛する人々がおり、世界的に見ても平和を考えれば非常に重要な国。
私は韓国人の情の深さが大好き。
一番、韓国にとって、世界にとって、そして神様にとって いま大統領になるべき方が選挙で選ばれることを祈ります。
冒頭画像参照:Economy Watch
参考:
東亜日報
中央日報
ハンギョレ新聞
NHK
産経新聞
HuffPostJapan
CNN
ロイター
日経ビジネスオンライン
BLOGOS
東京新聞
毎日新聞
朝日新聞
朝鮮日報
JBpress
時事通信
日本経済新聞
AFPBB News
TBS