エステルの人生ー民族の為に命をかけて祈った人

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アハシュエロス王の宴会

エステルが生きた時代は、アハシュエロス王(紀元前486~465年)のときでした。アハシュエロス王はインドからエチオピアまで127地域を治める権勢のある王でした。

アハシュエロス王が治めて3年になる時、自分の権威と栄華を見せるために、全地方の地方長官と臣下のために宴会を開きました。その時、各地方の貴族、地方長官たちは一人残らず王の前に出てきました。一人残らずです。

アハシュエロス王は180日間も宴会を開きました。その理由は、自分の栄華を極めている権威を見せるためのことでした。王はその宴会を通して、自分の権威をもう一度示しました。180日の後、また王宮の宮殿でまた7日間宴会を広げました。本当に豪華なものでした。その杯がそれぞれ違う形のものだったし、全て金の杯でした。これ一つだけをとってみても、どれだけの宴会なのかが想像できます。

王の命令を拒んだワシテ

この時、王妃ワシテも女の人たちのために宮殿で宴を広げていました。宴会の7日目にはアハシュエロス王はワシテを招きました。なぜかというと、その姿形がすごく綺麗だったので、宴会の最後の日、みんなの前で見せて自慢したかったのです。まずはこの国を自慢し、最後に王妃ワシテをみんなに見せようとしました。

しかし、何ということでしょう、王妃ワシテは自分のことで忙しかったんです。自分も自分で宴会を女の人たちのために宴会を広げていたからです。王の命令に従うことを拒みました。それによってワシテはどうなったか、この一言によって王妃の席から退かせられました。王がその権勢を示すために宴会を広げた、そこに王が招いた命令を拒んだのです。

王妃エステルの誕生

皆さん、時というのがあるでしょう。時があるでしょう。この貴重な時、あまりにも貴重な時に王の命令に従わなかったのです。それでエステルを再び王妃として選ぶようになりました。用意できていたエステルが王妃になりました。エステルはアハシュエロス王の寵愛を受ける王妃になりました。

エステルの養父モルデカイと、ハマンの策略

そうしたある日、この時アハシュエロス王はハマンという人をすべての人の上に立てました。王の次の人だったのです。王が命じてハマンの前にすべての人が拝するようにしました。それくらいハマンは権力権勢がすごかったのです。しかし、ハマンに拝さないたった一人の人がいました。モルデカイでした。

モルデカイはエステルの養父でもあり、親戚でした。おじでした。モルデカイは、ユダヤ民族として、神様に仕える民族として、神様の前で神様以外には拝さない頭を下げない民族の人でした。ハマンは怒りました、憤りました。モルデカイが自分の前にひざまずかないだけではなく、拝すこともしないのを見て非常に憤りました。

モルデカイは神様の前だけに拝するユダヤ民族だということが分かりました。それで、モルデカイだけを殺すのでは足りないと思いました。あの民族をすべて滅ぼして初めて満足する。その時代の悪の象徴です。

モルデカイとその民族をすべて滅ぼす計略を立てました。そして王に言いました。「王よ、一つの民族があります。その民族は王の国、各地方の民の中に散らばっていて住んでいます。その法律は万民のものと違って王の法律を守っていません。調書を出して彼らを滅ぼして下さい」。

それで王は指輪を渡して「望む通りにしなさい」と言いました。ハマンはこの話を聞いて、直ちに考えました。王の指輪で印を押しました。「すべてのユダヤ人、若者、年寄り、子供、女を問わず殺しなさい。またその財産をすべて奪いなさい」と、王の指輪の印で印を押して調書を送りました。

「あなたが王妃になったのは、この時のためでないと言えるのか」

モルデカイは、このことを聞いて荒布を着て泣き叫びました。そして宦官を通してエステルに言いました。「あなたは王に進みでてユダヤ民族のために切実に願い求めなさい。あなたは王のところに行ってユダヤ民族のために切実に求めなさい」。

それでエステルは言いました。進み出ることができませんでした。こういう理由がありました。誰でも、誰を問わず、王に呼ばれていないで王の王宮の庭に行って王の前に行ったら、殺される法があります。この当時の王の権勢がそれくらい大きかったということです。王に呼ばれていない状態で王の前に出て行ったら、殺されました。誰でもそうでした。

だからエステルはモルデカイに言いました。「しかし王が私に金の杓(しゃく)を出したら、差し出したら助かる。私が王に呼ばれてないのはもう30日になります。どうしたらいいでしょう」。王の前に行くことはできないということです。

それでモルデカイは宦官を通してまた言いました。
「あなたが王宮にいるからといって、ユダヤの民族の中でひとりただ一人命が助かると思ってはいけない。この時にあなたがもし黙っていて何も言わなければ、ユダヤ人は神様を信じているから、神様が別の方法によって救われるだろう。しかし、あなたとあなたの父の家系は滅びるだろう。あなたが王妃になったのはこの時のためではないと誰が言えるだろうか。あなたが王妃になったのはこの時のためでないと言えるのか」。

「死ななければならないのなら死にます」

エステルは答えました。
「それならば、ユダヤ人みんなを集めて、私のために断食をして下さい。三日間食べないで、飲むこともやめて下さい。私も、私の侍女と共に、このように断食をして、掟を破ってでも王の前に進み出ます」。

そしてこの有名な言葉を残しました。「死ななければならないのなら死にます。王の掟を破ってまで自分の民族のために求めます。」。

それで三日になる日、王妃としての身支度をして庭に立ちました。そして王の座の前に立ちました。王が座っていましたが、エステルを見ました。エステルの姿があまりにも愛らしかったのです。それで王はエステルに金の杓を差し出しました。掟を破って庭に立ちましたが、王が金の杓を差し出したことによって王の前にエステルが進み出ました。

その姿があまりにも愛らしかったので、普段も愛していたエステルでしょう、本当に準備をして進み出たでしょう。ユダヤ民族全体がエステルのために祈ってあげて泣きました。その条件によって出て行ったのでしょう。

この時に王はこう言いました、「あなたの願いは何なのか、何を要求するのか。国の半分でもあなたに与えよう」。このエステルは聡明で、知恵をもって賢く言いました。「王様、私が宴をもうけます。ハマンと一緒に私の宴会に来て下さい」。王はあまりにも喜んで、それを受け入れました。そして宴会の日にエステルにまた言いました。「あなたの願いごとは何なのか。何を要求したいのか。私が、国の半分でもあなたのために実行する」。この時、エステルはまた言いました。「もう一回宴会を開きます。ハマンと一緒に来て下さい」。王は喜んで、またその招きに応えました。

ハマンは王に招かれて宮殿に来るたびに、宮殿の前で荒布を着て泣き叫んでいるモルデカイが目に入ってきました。気になるんです。「あいつをなくさなきゃ」。それで自分の妻と家来たちに話を聞いて、モルデカイを吊るす50キュビトの竿を立てました。(1キュビトは45 cm)

「私たちの敵はハマンです」

二日目、宴会の時に王とハマンが来ました。このとき、また王は喜んでエステルに言いました。「あなたの願いごとは何か。何を要求したいのか。国の半分でもあなたにあげる」。エステルは話しました。いよいよ話しました。「王様、私と私の民族が売られて殺され、滅ぼされるようになりました」。王は言いました。「そのようなことを心の中で企んでいるのは誰だ」。エステルは「私たちの敵はハマンです」と言いました。

この時ハマンはどんなにびっくりしたでしょうか。王とたった二人だけが招かれて、「あー、私の世の中だ。王妃が私だけを招いた」と喜んでいたのに、ところがエステルが、「私の敵はハマンです。この人を懲罰してください」。ハマンはびっくりしたでしょう。ハマンがびっくりしてエステルの座っている椅子の上にうつ伏せになりました。この時、王は憤りました。
「お前は宮殿の中で私の王妃を強姦しようとするのか」。
泣き面に蜂です。時になると、願っていなかったことまで起こります。よりによって、王妃の席にうつ伏せになって、そんなことになってしまいました。

このように、王は本当に憤って、ハマンがモルデカイを吊るそうとしたその竿に、ハマンを吊るしなさいと命じました。結局、エステルはその願い求めたことによってハマンを滅ぼし、ユダヤ民族を助けました。またハマンの息子、そしてユダヤ民族を滅ぼそうとした輩(やから)まで全部滅ぼしました。
エステルが王妃でなかったら、王の寵愛を受けている王妃でなかったなら、民族の運命のためにそのように王の前に求めることはできなかったでしょう。モルデカイの言った通りです。「あなたが王妃になったのはこの時のためではないと誰が言えるだろうか」。エステルは、「死ななければならないのなら死にます」とエステルは言いました。

皆さんも祈って、皆さん、神様の心を掴む祈りをしなければなりません。神様の心を捉える祈りを捧げなければなりません。主にしがみつく人は、握る人は、主の方向に従って方向が変わると言いました。神様の心を捉える、神様の心を掴む祈りは、主をしっかりと握ることです。皆さんのために、兄弟のために、時代のために、民族のために祈るべきことはたくさんあります。

2012年3月1日(木)明け方の御言葉より抜粋

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