こういうことも…私だけが歩んできた道（２）ー鄭明析牧師

運転手も慌て、私も慌て、どういうことなのかタクシーを止めた。先ほど私が乗ろうとしてチケットを買っておいたバスが転んでしまったのだ。けがした人を連れてきて、通る道を止めさせて、病院に送り出していた。私が乗っていたタクシーは救急車に変わってしまった。方向はやはりクムサンだった。

タクシーの中で聞いた悲鳴が、20年を経た今でもその話をするたびに耳に響いている。その時になって私は、なぜ私がバスのチケットを買っておいて、異性にひかれたわけでもないのに、その女の人のところへ行ったかを悟った。異性にひかれたのではなく神様にひかれたことだ。私が信じている神様にひかれたことを悟って、ありがたい神様に感謝感激を捧げた。誰でも人々は、自分が信じた人に助けられ、自分が信じている神様が助けてくださるのだ。大きな人を信じて頼ると大きくなるように。大きな神様を信じるならば、もっと大きな助けを受けるんだ、ということを切実に悟った日だった。今もその時のことが思い出され、文章として残し、その方を証している。

神様はひそかに行われる方だ。その日も無事に仕事を終えて帰ってきた。ベトナム戦争にも、何回も死ぬ瞬間、境目で神様に助けられたことがある、ということを今も証している。だから私は神様の存在を切実に悟るようになり、その方の御言葉を受けるようにもなったし、その御言葉も預けられ、今日の世界史の天の働きをするようになったのだ。その方を信じることが知識の根本だ。

この夜も、自分を信じているために、炎のように働き、瞳のように守ってくださる神様だ、ということを悟る。その時私は考える。その時私が助けられなければ、私は死んだ身になったか、不具者の身になったはずだ。私は特に助けてくださったことを考えると、この身はただ天のために使われることが当然だと思った。それで、もっともっと青春も若さも惜しまずに、その方のために後悔のない人生を生きていっている。
1994年11月15日　月明洞にて
（終わり）

冒頭画像出典：鄭明析牧師公式サイト