韓国メディア ハンガン日報
掲載文章の翻訳、意訳
検察権力の乱用・司法の偏向に対する議論が継続…構造改革の要求が拡大
イ・ジェミョン政権は発足と同時に司法・検察改革を核心政策課題として掲げた。過去の政権も同様のスローガンを掲げてきたが、今回の政権は「検察庁の廃止」や「重大犯罪捜査庁・公訴庁の新設」、「捜査権と起訴権の完全分離」、「大法院判事の増員および任命手続きの改編」など、権力機関の構造改革を前面に出して注目を集めている。野党はこれを政治的意図だと批判しているが、検察・司法権の乱用や国民の信頼低下といった長年の弊害を是正するための試みと見る見方も少なくない。
「チャンネルA事件」や「司法壟断」後に高まった改革要求
検察は、捜査と起訴を同時に行う構造上、抑制されない権限行使により長年にわたり議論の中心にあった。特に2020年のチャンネルA事件では、ハン・ドンフン検事とユン・ソギョル検察総長との癒着疑惑、法務部の監察妨害疑惑などが「身内のかばい合い」問題を浮き彫りにした。この過程で検察権力の独立性・中立性の毀損や政治的介入疑惑が生じ、国民からの強い批判を受けた。
ユン・ソギョル政権時代にも検察の独立性への疑念は続いた。大統領室や与党関係者の疑惑捜査には消極的でありながら、当時の野党やイ・ジェミョン民主党代表、および所属議員に対しては集中的な捜査が行われ、政治的偏向性の議論が再燃した。特定の政治日程に合わせた捜査の着手や、検察人事でユン大統領の選挙陣営出身者が重用されたことも議論を拡大させた。
裁判所もまた「司法壟断事件」で致命的な信頼危機に直面した。ヤン・スンテ元大法院長時代、青瓦台との裁判取引や判事ブラックリスト運用疑惑が事実と判明し、司法の独立性と公正性が損なわれた。この事件の捜査と裁判が遅延したり、政治的に利用されたという批判の中で、司法に対する国民の信頼は急落した。
被疑事実の公表・世論裁判の弊害が依然として残る
司法・検察改革のもう一つの背景は、被疑事実の公表と世論裁判の慣行である。大庄洞事件でのキム・マンベやチョン・ヨンハクの録音ファイル流出、漢江の医大生失踪事件などに見られるように、捜査初期の被疑事実が無差別にマスコミに公開され、「無罪推定の原則」が損なわれ、世論裁判に発展する事例が頻発している。
ユン政権時代にもこうした世論裁判の事例は続いた。ある芸能人の性犯罪事件では、一審で無罪となった後、上級審で社会的世論に乗じて判決が覆されたという批判もあった。特にJMSチョン・ミョンソク牧師事件では、物的証拠が限られた中で被害者の証言が主な証拠として用いられ、社会的関心と世論が高かったことから、判決に世論が影響を与えたとの評価もある。
両刃の剣…改革への懸念と現実的障壁
司法・検察改革は期待と同時に現実的な問題も抱えている。検察権限の分散に伴い新設される重大犯罪捜査庁や公訴庁が、新たな権力独占の主体に変質する懸念、公捜処(高位公職者犯罪捜査処)の政治的中立性への疑念も依然として存在する。また、検察の捜査機能縮小による専門性やノウハウの空白問題も指摘されている。警察や中数庁が短期間でこれを補う人員やシステムを整えるのは困難であり、重大犯罪捜査の空白が発生する可能性もある。立法構造の限界や憲法的制約も現実的な障壁だ。検察庁の廃止などには国会の同意が必須であり、国民の力をはじめとする保守野党は「政権の防弾用改革」というフレームで強く反対している。特に憲法第12条の「令状請求権の検事独占規定」は憲法改正なしには変更できず、改革の推進には困難な政治的・法的プロセスが避けられない。
市民の監視と参加で司法正義を回復すべき
イ・ジェミョン政権の司法・検察改革は、単なる制度の手直しではなく、法治主義の体質改善を目指している。これまで積み重ねられてきた弊害は一部の人員の問題ではなく、体系的な権力構造の問題であり、国民の基本権保障と司法正義の回復のために必ず解決されるべき課題である。特にJMSチョン・ミョンソク事件のように、刑事裁判で無罪推定の原則や証拠裁判主義の原則が崩れる事例を繰り返さないためには、世論裁判を防ぎ、証拠に基づく公正な裁判のための制度的装置の整備が必須だ。改革支持者たちは「改革の道は険しくても、諦めなければ正義は実現する」とし、「司法正義は政治家だけのものではなく、市民社会全体の責任である」と強調している。


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