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2024年7月26日
JMSチョン・ミョンソク牧師の控訴審、’録音ファイル’操作疑惑で激しい攻防。裁判の行方は?
鄭牧師弁護人側司法鑑定結果、50ヵ所で編集・改ざん疑惑を提示
裁判部、十分な審理のため控訴審延長…検察側の反発、隠された意図は?
毎日日報=キム・ジンホン記者
キリスト教福音宣教会(JMS)のチョン・ミョンソク牧師の5次控訴審が25日、大田高等法院で第3刑事部審理で行われた。
この日、検察は告訴人たちが宗教的洗脳教育を通じて被告人を「再臨イエス」または「メシア」と信じさせ、抵抗できない状況に陥らせたと主張した。
鄭牧師側の弁護人は、検察の教義による洗脳について「全体的な文脈を無視したまま、一部の説教を引用して被告人に枠をかぶせる強引な主張」とし、「被告人が46年間宣教会で説教をした映像があるので、反論できる」と自信を見せた。
この日、検察は鄭牧師の事件を万民中央教会や救援派事件と結びつけ、「被告人の逆らえない絶対的な宗教的権威による抗拒不能」を主張した。
これに対し、鄭牧師側の弁護人の一人が、自分が救世主派事件を直接担当した検察官出身であり、この事件は全く違うと反論した。この弁護人は「抗拒不能と洗脳の前提条件が集団監禁と暴行なのに、告訴人たちは自由に月明洞を出入りし、旅行をするなど身体拘束がなかった」と明らかにした。
万民中央教会(韓国)の事件とは 1999年に起きたMBC襲撃事件では、万民中央教会の信者たちの一部が批判的な報道をしていたMBC局内に300名が乱入、更にその一部が放送機器を破壊し、局員たちに暴力をふるった。また、教会創設者の牧師が複数の女性信徒に対しての常習的な性暴力の罪で、2018年に懲役16年の刑が確定。イ牧師は自らを「神の息子」と称していたとされる。牧師は病気で既に他界。
参照:WowKorea、NNAAsia、中央日報、DailyNK
救援派の事件とは
2014年にセウォル号沈没事件にて、船のオーナーが救援派トップだったことから大きく注目された。1987年には救援派の信徒32人が自殺する「五大洋集団自殺事件」が起こった。同事件は、信徒たちからなる会社の工場で経営者、従業員が、社債の返済をめぐる債権者とのトラブルにより集団自殺を図ったとされる。1991年には教会の献金横領でトップが逮捕、収監された。セウォル号沈没事件は、法定積載量の3倍近い荷物を積載してセウォル号を運航させていたなど危機管理の低さから起きたともされている。
参照:中央日報、AFP通信、KBSWORLD
この日、裁判を傍聴した人は「抗拒不能と洗脳についてですがもし彼女らが洗脳されていたら、自由に海外と韓国を行き来して生活していたでしょうか。 キリスト教福音宣教会は結婚前の交際はしませんがNetflixやNEWS報道を見たところ、告訴人は教会に通いながらも他の異性と自由に交際をしていたことが伺える内容がありました。もし彼女たちが本当に洗脳されていたなら、そのような生活はできないはずです。」と悔しさを訴えた。
続けて「鄭牧師は率先して神様に仕える信仰生活を送っています。彼が御言葉に反する行動をしたなら、その権威は崩れたことでしょう。」と話した。
午後の公判では、鄭牧師裁判の唯一の証拠である「被害時の録音ファイル」に関する攻防が続いた。先に鄭牧師側の弁護人が録音ファイルを検認した結果によると、50ヵ所で編集・操作疑惑が明らかになったと述べた。
前回の公判の過程で録音ファイルの鑑定が不発となり、鄭牧師側の弁護人が別の機関に鑑定を行い、最終結果がまだ出ていない状況である。この日、鄭牧師側の弁護人がもう少し時間が必要だと裁判所に要請した。
録音ファイルは編集・操作疑惑の有無とは別に、証拠として提示されたファイルがオリジナルではないという事実がもう一つの争点として浮上した。
「オリジナルではないファイル」は裁判の証拠として使用することはできない。最近、世間を騒がせている’サイバー脅迫共謀’事件でも、イ・ジンホ記者は「当初、原本でないファイルは証拠能力がないため、改ざんを論じる価値がない」と意見を示した。
1審で録音ファイルはオリジナルではないにもかかわらず、1審で証拠として採用された。
法曹界では一般的な事件であれば、当該ファイルは証拠から除外されたはずだと評価している。
この日の公判でファイルを検証した国立科学捜査研究院の証人尋問の過程で、鑑定人は「WhatsAppでファイルを転送する場合、ファイル構造が変更される可能性がある。オリジナルと同じかどうかを確認するには、対照ファイルがあるか、同じ条件で録音したファイルがなければならない」とし、「これがなければ正確な分析資料を作ることができない」と証言した。その上で、「対照ファイルがなければ、鑑定は原理的には判断できない」と述べた。
控訴審裁判部は、証拠として提出された録音ファイルが原本ではないので証拠能力がないと見て、検察側にこれを立証するよう注文してきた。未だに検察側は明確な立証をしていない。
公判の終わりに、裁判部は当該事件が検討すべき証拠が多く、証人尋問が多く残っているため、決心公判を延期し、追加審理を行うことを明らかにした。
検察側は、拘束期間が残り少ないので裁判の結審を主張したが、裁判部は証拠を検討する時間などが必要だと却下した。8月22日に続行される裁判では、米国で行われた司法鑑定結果などが中心になる予定だ。
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