韓国NEWSサイト・中道日報
掲載文章の翻訳、意訳
2024年2月8日
キリスト教福音宣教会’チョン・ミョンソク牧師’1審判決をめぐる核心争点とは
鄭牧師弁護人側”直接証拠がないのに無罪推定と証拠裁判主義の原則から外れる”
“異端の濡れ衣を着せた中世時代の魔女狩り式裁判での判決は理解できない”
“公訴事実の大前提である’洗脳’という言葉の明確な概念の立証もなく裁判を進行”主張
昨年12月22日、キリスト教福音宣教会(JMS)のチョン・ミョンソク牧師に対する1審判決で、大法院の量刑基準を超えた23年の重刑が宣告され、1審判決をめぐる核心的な争点が注目されている。
8日、チョン・ミョンソク牧師の弁護人は「チョン牧師は悔しさを訴え、一貫して無罪を主張しているが、裁判部は直接的な証拠がないにもかかわらず、無罪推定と証拠裁判主義の原則による裁判ではなく、世論に偏った世論裁判を行った」と主張した。
さらに、「21世紀の民主主義社会で、キリスト教福音宣教会と鄭牧師に異端のレッテルを貼って中世時代の魔女狩り式の宗教裁判を行うことで、23年刑の重刑が宣告されるという理解できない悲惨な結果が出たのだ」と付け加えた。
そのうえで、「1審判決後、検察と放送メディアで鄭牧師による多数の性犯罪被害があるとしたが、裁判内容とその進行過程を少し詳しく見れば、告訴事実も、公訴事実も、裁判手続きにも問題があることがすぐに分かる」と説明した。
弁護人側は、「鄭牧師の裁判は、告訴人たちが性犯罪被害を受けた後、約4年後に告訴した点、DNA証拠など直接的な証拠は一件もない点、録音ファイルの操作可能性が濃厚で汚染された証拠である点、告訴人たちの陳述に信憑性が低い点など、様々な点が疑問視されている」とし、「それにもかかわらず、検察はまるで極悪非道な方法で殺人を犯した犯罪者に該当する重刑を鄭牧師に求刑した。これは’宗教と性犯罪’に対する強い偏見によって法廷の手続き的正義が深刻に損なわれた結果だ」と主張した。
弁護人側が主張する争点の一つは、鄭牧師の公訴事実の前提である「告訴人たちが洗脳された」という内容の成立の有無だ。
告訴人たちは自由に海外にも行き、気分次第で1ヶ月間、教会にも出ないなど、社会と隔離、孤立することとは全くかけ離れた生活を送っていたことが分かっている。信徒を洗脳するには教義を繰り返し話さなければならないが、告訴人たちはすでに教義から外れて生活している人たちなので、洗脳になるのかということだ。弁護人側は「公訴事実の前提が一つも証明されていない。だから、法的に公訴事実が立証されていない」と説明した。
弁護人側はまた、検察が刑法解釈の大原則である罪刑法定主義の「明確性の原則」に違反したと主張した。
この事件で公訴事実の大前提である「洗脳」という言葉から、明確な概念の立証もなく裁判が行われたということだ。弁護人は”法律を外れた不明確な概念の’洗脳と抗拒不能’主張で犯行を規定しており、これは罪刑法定主義の明確性の原則に真っ向から反するものであることが分かる”と指摘した。
また、「キリスト教福音宣教会の大多数の教会員が正常な社会生活をしていることに照らしてみると、洗脳の主張は根拠がない。特に告訴人たちの自由な私生活をみても根拠のない主張だ。宗教的見解の受容が自己決定権を侵害したと見ることができない点からも洗脳とは言えない」と明らかにした。
また、「検察は’抗拒不能’を公訴状に明記しているが、抗拒不能または著しく困難な特段の事情について検察は何も言及していない。 したがって、このような検察の主張は排斥されるべきである」と主張した。
弁護人側はこれと共に「鄭牧師の裁判で’罪刑法定主義’と’無罪推定の原則’も守られなかった」と明らかにした。
弁護人は「この事件のすべての公訴事実は’洗脳’という前提だが、告訴人たちは’洗脳’を受けていない。告訴人たちの陳述以外に決定的な直接証拠もない。 したがって、この事件犯罪事実に対する証明がなく、憲法上の’無罪推定の原則’が遵守されなければならない」と強調した。
検察の公訴状内容にも異議を申し立てた。核心争点は、主張があるだけで、立証できていないということだ。弁護人側は「一例として’洗脳’を主張しながら、行為主体を特定せず、洗脳行為の日時、場所、対象も記載せず、告訴人たちがそのような洗脳を誰から、いつ、どこで受けたのかも記載しなかった」と明らかにした。
弁護人側は「鄭牧師の犯罪事実が証明されたかどうかが重要だが、証明されなかったので無罪」と主張した。
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