[FOCUS]裁判傍聴記9月6日控訴審 結審公判ーチョンミョンソク牧師裁判

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掲載文章の翻訳、意訳、抜粋

筆者 リュ・ジェボク
▲韓国プレスセンター韓国語文記者協会事務局長 ▲中国吉林新聞ソウル支局長(外国人記者) ▲外交部・統一部・青瓦台出入記者 ▲中国人民日報海外版(韓国版)特別取材局長 ▲総合日刊紙「日刊トゥデイ」中国専門記者 ▲ソウルニュース通信中国専門記者 ▲アジアタイムズ記者 ▲コリアデイリー記者(国会出入記者)などを歴任 ▲(現)政経時事フォーカスTV代表

9/6裁判案内 出典:FOCUS
目次

結審裁判の始まり

[政経時事Focus=リュ・ジェボク記者] 2024年9月6日午前10時、大田高等法院230号法廷でチョン・ミョンソク牧師の性犯罪事件に関する第8回裁判が始まった。法廷はとても大きかった。検察官3人が最初に入廷し、すぐに3人の裁判官が着席した。この日、弁護団は11人いた。

裁判長が被告人を呼ぶと、チョン・ミョンソク牧師が入廷し、裁判長に向かって敬礼をして座った。

チョン牧師は穏やかで落ち着いた表情、容姿も端正であった。結審公判の日なので、より気を遣っているように見えた。チョン牧師の左右には弁護士2名が座った。傍聴席には40人余りが着席した。

裁判長はまず、第7回公判(8.27)の進行過程を改めて詳しく説明し、弁護団と検察側双方に異議の有無を尋ねた。

主に弁論資料の提出に関する質問だった。双方とも異論がないと答えると、裁判長は「最終弁論の公判を開始する」と言った。

元信徒であったLが提出した内容証明について検察側に意見を聞くと、「信頼性がない」と答え、弁護団のファン弁護士は「告訴人に対する証拠として必要性がある」と答えた。これに対し、裁判長は「Lについては証人申請を採択しないが、公判調書として作成する」と述べ、双方の意見を聞いた。 つまり、宣告前までは証拠としてより十分な検討を行うという裁判部の意志だった。

続いてイ弁護士が「すでに提出した証拠のうち、音声ファイルを音声データに訂正してほしい」と注文し、裁判長は「これ以上の証拠提出の意見がなければ、8回目の公判を進める」とすると、パク弁護士が「訴訟事実に対する証拠能力、すなわち訴訟事実を立証する証拠採用の判断調査をしてほしい」と判断に慎重な要請を求めた。

すると、裁判長が「元信徒Lがまた2回目の内容証明として書類を送ってきており、脱会者信徒も嘆願書を送ってきたが、Lが出したものは重要だ」と述べ、これに対する証拠の有無を尋ねると、ファン弁護士は「弾劾証拠として調査してほしい」と言い、検察も「確認した。証拠採択を行い、調査は閲覧で行う。」と述べた。

続いて裁判長が「Lが送った内容証明の件について話せ」と言うと、ファン弁護士は「Lが送った内容証明の中のK教授は告訴人と合同で追加告訴をする人を複数人募集し、費用を自分(K教授)が払うという内容が出ており、告訴内容に多くの疑問がある」と言うと、検察側が「証拠になったとしても被害者にとってはまた被害になる」と言った。

続いてイ弁護士が抗拒不能を話しながら、カトリック教義を引き合いに出した。彼はまた「公訴事実に信憑性がない」と述べた。ファン弁護士も「検察の公訴事実にはJMSの教義がない。被告人が話してきた内容は検察官の主張とは合致しない。」と言うと、この時、チョン牧師はこれらの弁護士の弁論を聞きながら隙間時間に何かを書いていた。ファン弁護士は「この事件で抗拒不能はなかった。詳細は弁論要旨書を出す。」と述べた。

弁護団「誤りで判決した1審。2審は寛大な判決日を指定してほしい。」と要請

検察側「被害者らの供述はすべて同じ、抗拒不能も確実。」主張30年求刑

その上で、「控訴理由書を裁判部が詳しく見てほしいし、1審が誤りを犯した裁判であるため、2審では寛大に判決日を指定してほしい」と述べた。すると、裁判長は「量刑に関係する嘆願書もたくさんもらった。これ以上被告側が出す証拠がなければ、証拠調査を終わらせる」とし、検察側に「最終的な意見を述べろ」と話した。

検察側の最終弁論

検察側は「録音ファイルの証拠能力に合理的な判断をしてほしい。」とし、「編集操作に異常がなく、大検の録音分析も正常で、録音ファイルと一致し、背景、声など再生不可能で、この事件の録音ファイルは正常。」と主張した。検察はまた、「録音ファイルの分析結果も場所などすべてが一致し、鑑定結果及び証拠能力が正確に一致し、オリジナルファイルとも同一である」と述べた。

続いて、検察は「被害者たちの陳述を総合すると、全てが同一性が認められ、証拠能力の1審判決を認め、抗拒不能も確実だ」と述べ、チョン牧師の説教映像を再生した。映像の中にはチョン牧師の声、被告のチョン牧師が自分を「主」と呼び、新しい御言葉の講演など過去の判決事件を引き合いに出し、類似の事件として万民中央教会事件、救援派事件とも似たような事件で影響力を維持抗拒不能にし、性犯罪を犯し、洗脳の過程を説明すると、チョン牧師は何かを書き続けていた。

参考 7/27傍聴記録より:検察側は続けて「被告人はどの教会よりも比較できない絶対的な宗教的地位にあった」とし、「万民中央教会と救援派の判決事例をみると洗脳行為が認められた」と主張したが、チョン牧師の弁護人側は「過去に救援派事件を直接捜査した担当検事がまさに弁護人の私であり、救援派事件とは全く違う」と検察側の主張に反論した。詳細はこちら

万民中央教会(韓国)の事件とは

1999年に起きたMBC襲撃事件では、万民中央教会の信者たちの一部が批判的な報道をしていたMBC局内に300名が乱入、更にその一部が放送機器を破壊し、局員たちに暴力をふるった。また、教会創設者の牧師が複数の女性信徒に対しての常習的な性暴力の罪で、2018年に懲役16年の刑が確定。イ牧師は自らを「神の息子」と称していたとされる。牧師は病気で既に他界。

参照:WowKorea、NNAAsia、中央日報、DailyNK

救援派の事件とは

2014年にセウォル号沈没事件にて、船のオーナーが救援派トップだったことから大きく注目された。1987年には救援派の信徒32人が自殺する「五大洋集団自殺事件」が起こった。同事件は、信徒たちからなる会社の工場で経営者、従業員が、社債の返済をめぐる債権者とのトラブルにより集団自殺を図ったとされる。1991年には教会の献金横領でトップが逮捕、収監された。セウォル号沈没事件は、法定積載量の3倍近い荷物を積載してセウォル号を運航させていたなど危機管理の低さから起きたともされている。

参照:中央日報、AFP通信、KBSWORLD

続いて検察は「被害者はもちろん、参考人キム・ジソンまで皆が似たような陳述で、被告人チョン・ミョンソクが『主であり、メシヤと称しているので信じて従った』と主張した。 つまり、被告人自身が『再臨主であり、メシヤ、主』であることを強調し続けた。

検察はまた、「今回の事件は宗教勢力を利用した組織的な犯行で、被告人は教主としての地位を利用して被害者を洗脳し、共犯関係にある他の信徒を動員して犯行したり、被害者が訴えないように仕向けた」とし、「被害者が3人で犯行回数も23回に達し、現在、他の被害者に対する同種犯罪で起訴され1審裁判中で、罪質(犯罪の性質)が悪い」とし、「犯行を隠蔽するために参考人に虚偽の陳述を促したり、捜査が始まると幹部20人に携帯電話の交換を指示したりした。他にも被害者たちの普段の行いを責めたり、被害者たちが嘘をついていると言って無実・偽証で訴え、告発するなど2次加害をし、この事件の証拠である録音ファイルが操作されたとして容疑を否定するなど反省していない」とし、「1審で求刑したように懲役30年を宣告してほしい」と最終意見を述べ、さらに「位置追跡電子装置装着命令20年、児童・青少年関連機関などへの就職制限10年、性暴力治療プログラム履修500時間、身元情報公開を一緒に命令してほしい」と裁判所に要請した。検察側の意見が終わると、裁判長は検察に「動画とファイルを提出してほしい」と言い、弁護人たちの本格的な最終弁論が始まった。

チョン牧師側 弁護人たちの主張

弁護人「控訴審で新たに明らかになった事実が多すぎる」「検察側証人も録音ファイルに対して操作可能」無罪主張

企画告訴 証拠となった「内容証明」

まず、イ・ジェスン弁護士が「控訴審では新たに明らかになった事実が多すぎる。Lが送った内容証明には多くの資料がある。その中には告訴人と交わしたカカオトークメッセージが25個出てくるが、その内容を見ると最初の告訴を背後で操ったと思われるK教授の’弁護士費用も私が払う’、’チョン・ミョンソク牧師の領地金も差し押さえる’、また告訴人が’訴訟に勝てばお金をもらえるか’など、金銭に対する欲望の話が出てきて、被告人を神格化させながら’追加告訴人を募集する’と言った。反JMS会員に対して「嘆願書を出せ」という指示など、そして告訴人が録音ファイルを元信徒Lに聞かせたところ、Lが『証拠にならない』といった会話をしていた。証拠操作が確実な告訴だった」と述べた。

このようなイ氏の弁論をチョン牧師は深く聞いていた。

イ・ジェスン弁護士はまた、「告訴人の日記を見ると、元の日記には被告人(チョン牧師)を『尊敬する』という表現があるが、他の日記には告訴内容通りの性的嫌がらせの話がある。これについては弁論要旨書で提出する。」と証拠操作と録音ファイルに対する証拠に対する弁論を行ったが、彼は非常に理路整然とした弁論をしながら検察の主張を反論した。弁護士は最後に「Lの内容証明を見ると結局、K、牧師、告訴人が捏造した告訴事件であることは明らかだ」と述べた。

音声専門機関による録音ファイルの検証結果

続いて二番目にイ・ギョンジュン弁護士が弁論を行った。 彼は97分間の録音ファイルの実体について弁論を行った。この時、裁判長が「弁護人何人が弁論をするのか」と尋ね、「3人」と答えると、「わかった。続けてください」と言った。

イ・ギョンジュン弁護士は、録音ファイルについて検察側証人と崇実大教授であるペ・ミョンジン証人の証言を比較し、「検察側証人も専門家であれば、操作は可能だと言った」と言いながら、映像を通じて音を直接聞こうと再生した。 それと共に 「告訴人のうめき声は意図的に編集されたものであり、うめき声を挿入して性的暴行を受けたかのように操作。被告人との日常的な会話を性的暴行として見せて追い詰めた」と弁論をした。イ・ギョンジュン弁護士も堂々と弁論を行った。続いて彼は「Lが送ってきた内容証明を参考にしてほしい」と述べた。李弁護士の弁論が終わると、裁判長は「映像とファイルをくれ」と言った。

抗拒不能「検察は告訴人とK教授の主張だけを信じている」「勇気と信念のある判決を望む」

続いて三番目にファン・ユンサン弁護士の弁論が始まった。 彼はまず「この事件の犯罪事実、特殊構造」を述べ、検察が主張する「抗拒不能」と「洗脳」に反論をした。「被告人はこれに対して全面的に否認している」とし 「検察の立証不足と検察のこれに対する主張は虚構であり、虚偽だ。告訴人とK教授の主張だけを信じている。K教授が企画告訴をした事実が明らかになっているため、この事件は確実な企画告訴と判断される。検察は被告人が1万人余りを性的暴行をしたというとんでもない非論理的な主張で一貫している。検察総長まで何も知らずに厳罰指示をし、それによってマスコミの報道があふれかえり、1審は被告人に23年という不合理な重刑を下した」と弁論を続けた。

ファン・ユンサン弁護士「検察側、公訴事実を立証できず」勇気ある判決を要請

裁判長、弁護団の堂々とした弁論を注意深く聞き入る

ファン弁護士はまた「検察の洗脳主張も虚構で、米国の法廷では認められていない。最高裁も宗教的な面では抗拒不能を認めない」と弁論すると、裁判長はファン弁護士の様子を注意深く聞き入った。ファン弁護士はまた、「検察官は公訴事実で主張する犯罪、そして被告人の説教や出版物に対して立証がなく、できていない。2018年以降の説教の映像を流しながら、細かな反論を行った。続いてファン弁護士は「被告人は46年間説教をしてきたが、自分を再臨イエスと言ったことがない。キリスト教の信者であり、イエス様に仕えて生きてきた人で、説教でも『イエス様は木であり、私たちは枝である』と話している」と伝えた。

ファン弁護士は引き続き検察を批判した。「検察官は(JMSの)教理も知らず、勝手な解釈をしながら虚偽の公訴事実を主張している。特に宣教会の教理に対する事実誤認が多い」とし、「検察と1審判決は告訴人たちの法廷での陳述だけで判断をしたもので、陳述が変わり続けた」と主張した。

ファン弁護士はまた、「検察は’被告人は神と称していた’と主張するが、被告人は神ではない。1審は現場検証もなく一方的な判決を下したものであり、告訴人は日記にむしろ被告人との性的接触を望んでいたとあるが、被告人は応じなかった。 そのため、国家刑罰権が介入することではない。」と反論し、「抗拒不能があるはずがない」と主張すると、検察官3人のうち2人は目をつぶっていた。

ファン弁護士は、告訴人たちの個別的な事情に関する事実誤認についても弁論を続けた。

「告訴人たちの供述がずっと違っていた。告発者たちは自由な生活を送ってきた。 そのため、抵抗不能と洗脳で性的暴行を受けたという検察の主張は無能と無知だ」と言うと、3人の裁判官もはっきりとファン弁護士の弁論に耳を傾けていた。続いて、ファン弁護士は「国家刑罰権は憲法裁判所の判例にもあるが、検察と1審はこの規定を破った」とし、「そのため1審判決は完全な違法であり、告訴人たちは主導的に綿密な録音を計画し、うめき声などを挿入するなど、徹底的に企画された捏造事件だった。実際に性交渉があったなら被告人のDNAがあるはずだがそれもない。そして告訴人たちは混乱や困惑した表情もなかった」と強い弁論で検察側を批判した。

続いて「1審判決は抗拒不能を誤りとして判断したものであり、罪刑法定主義に違反した重大な誤審だった」とし、「結論は検察が主張する洗脳はなかったし、公訴事実もこれに対する立証ができない。もし実際に告訴人たちが徹底的に被告人に洗脳されたのであれば、この事件はなかっただろう」とし、「告訴人の陳述を否定する。検察はこれまで告訴人の言葉だけを聞いて起訴してきたので、2審裁判部は人権保護と司法部の法と原則に基づき、勇気と信念のある判決を望む」と弁論を終えた。

月明洞の現場を訪問してほしい

続いて、最後にある弁護人が「裁判部で月明洞の現場を訪問してほしい」と述べ、「弁論終結後でも教徒の生活を把握すれば判決に役立つだろう。私たち弁護団も月明洞の現場を訪れ、信徒たちの様子を見たがとても自由だった。 検察の主張に対しては証拠がないので、裁判部が詳しく見てほしい」と短い弁論を行った。

チョンミョンソク氏 最終弁論「裁判長と二人の裁判官、公正な裁判に感謝する」

6回法廷に出席した筆者は<チョン・ミョンソク、彼は無罪だ。 なぜ?>のように無罪確信

裁判長が被告人に「最終弁論を述べよ」と告げると、チョン牧師は立ち上がり、裁判部に敬礼の挨拶をした。

「尊敬する裁判長。私はこの事件の裁判で、長い間司法部に在職された豊富な経験で細かく耳を傾け、裁判を進行してくださった裁判部に心から感謝し、感謝の意を表します」と述べ、「これまで弁護人を通じて、有名な裁判長であるという話を聞きました。私が裁判官に申し上げたいことは、告訴人たちが主張している内容は、神様に誓って絶対にありません。」と述べた。

チョン牧師はまた、「私は65年間、神様の仕事だけをしました。聖職者たちは神様に言われたことだけをします。裁判長はすでにご存じだと信じています。私はこれまでイエス様だけを信じて実践する行動をしてきたので、多くの教会員が私についてきてくれています」と話した。

チョン牧師は「告訴人が普段も憂鬱、不安症状を示し、親が(告訴人のことを)頼んできたこともありました」とし、「これまで告訴人の話をすべて聞きましたが、愛だけは神様に捧げたので与えることができないと話しました」と主張した。

彼はまた、「私は大屯山(テドゥン山)で8年間、祈りながら神様の使命に従順しました。65年間牧会をしながら、もし信徒たちと最も近くで接してくれたのが私であり、私が権威を示すような行動をしていたら、信徒たちは私に従わなかったでしょう。他の宗教指導者たちはメシアを信じるなと言いますが、メシアがまさにイエス様なので信じるべきであり、私は今も刑務所でイエス様に学んでおり、毎日6時間ずつ祈りを捧げています」と話した。

このような最終弁論のチョン牧師の姿を裁判長は真剣に耳を傾け、注視した。チョン牧師はまた、「肉体を持った人がどうして神様でしょうか。私は神ではありません。」と言うと、筆者の前にいる二人の女性傍聴者は涙を拭いていた。

続いてチョン牧師は「この事件は洗脳もなく、抗拒不能もありません。洗脳は金日成・金正日父子だけがしてきたことです。すべては詳しく調べて分析すれば出てくるでしょう。神様は人を通しても働かれます。今回の事件だけは法に基づいて理にかなった判断をしてほしいです。」と述べ、「裁判長と二人の裁判官、これまで公平に裁判をしてくださったことに感謝し、すべてのことを神に委ねて感謝します。」と被告人最終陳述を終えた。

10月2日午後2時、判決を宣告予定

残るは裁判部の判決宣告!10月2日午後2時、大田高等法院302号法廷で開かれる。世界的な注目を集めるこの事件で、果たしてどのような判決が下されるのか注目されている。

しかし、筆者の判断では、これまでの裁判部の裁判の進行をみると証拠のない裁判であり、特に元信徒Lの内容証明について裁判長が「非常に重要な証拠」と言ったことを見ると、筆者が去る8月15日に著書として出版した<チョン・ミョンソク、彼は無罪である。 なぜ?>のほんのように、チョン牧師が無罪で釈放されることを断言してみる。

過去の傍聴記録

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